Football × Journey = Pura Vida!

Pura Vida!とは中米コスタリカの挨拶でよく使われる「素晴らしい人生だよ!」の意味。

流れ着いた旅。

 

目的地を決めずに出発した

光葉との当てのない日帰り旅。

 

糸島の海沿いの道を

唐津方面に向かいながら

ひとまずの目的地を

長崎県佐世保に決めました。

 

山頂からの棚田の風景や

 

f:id:tetsufootball:20190814141847j:image

 

名物・佐世保バーガーを楽しみつつ

 

f:id:tetsufootball:20190814141900j:image

 

208もの島があると言われる

九十九島 」全体が眺められる展望台へ。

 

ただただ、圧巻な景色。

 

f:id:tetsufootball:20190814141949j:image


f:id:tetsufootball:20190814141952j:image

 

九十九島について少しだけ調べた光葉が

 

 

 「 この島のほとんどは無人島なんだって 」

 

 

ということと

島の歴史をひとつ教えてくれました。

 

 

 「 隠れキリシタンが潜伏してたらしいよ 」

 

 

それを聞いて、腑に落ちたのでした。

 

うちらはなんでこの日、ここに来たのか。

 

真実はわからない。

たまたまかもしれない。

でも、そう信じることにしました。

 

 

 

 

7月の終わり頃

東京のサッカー仲間から

突然メッセージが来ました。

 

 

 「 今朝8時ごろ

   Kくんが亡くなりました。

   先週の木曜日

   会社で倒れて、意識不明のまま

   今朝、息を引き取られました 」

 

 

何の予兆もなく突然に。

しかも、奥さんもいて、子供もいて。

 

胸が締めつけられました。

 

Kくんは

仲良くさせてもらっていた東京のチームで

指導者をしていました。

 

試合会場では

あまり一緒にならなかったのですが

そのチームの指導者が中心になって出場した

指導者大会でチームメイトとなり

厳つい外見とシャイな性格に隠された

優しさあふれる彼の熱い想いを知っては

仲良くなっていったのでした。

 

糸島に移住するちょっと前

指導者大会のオファーを

あらためてもらうことができ

Kくんと再びチームメイトになりました。

 

GKとして出場した彼はケガがありながらも

それを見せない積極的なプレーと

ポジティブなコーチングでゴールを守り

準優勝に貢献してくれたのでした。

 

チーム最後の

ミーティングが終わって着替えていると

Kくんが突然やってきました。

 

 

 「 テツくん、これあげるよ 」

 

 

渡されたのは、映画のチケット2枚。

 

それは「 TOHOシネマズ 」であれば

どこでも、どんな映画でも

観られるというチケットでした。

 

 

 「 糸島に移住する前に

   もし時間があったら行ってみてよ 」

 

 

なんでくれたのかの理由は聞くことなく

「 ありがとう、必ず行くね 」とだけ伝え。

 

その数日後、光葉と何を観るかを考え

最終的にうちらが選んだ映画は

マーティン・スコセッシの『 沈黙 』でした。

 

 

 

 

佐世保への日帰り旅に出る2日前

Kくんについてのブログを書き始めたのですが

なぜだか書き進めることができず断念しました。

 

その後も進行することはなく

でも、ぼんやりとKくんのことは考えていて。

 

そして昨日、光葉と休みが合ったので

行き先を決めることなく日帰り旅に出かけました。

 

そこで行き着いたのは

映画『 沈黙 』の主題として描かれていた

隠れキリシタン ” が潜伏していた

という「 九十九島 」。

 

真実はわからない。

たまたまかもしれない。

でも、そう信じることにしました。

 

きっと、Kくんが呼び込んでくれたんだ、って。

 

 

 

 

映画を観に行った後

『 沈黙 』を選んだことと映画の感想

それとあらためてのお礼をKくんにメールすると

彼はこんな返信をくれていたのでした。

 

 

 「 キリシタンのやつだね。

   なかなかマニアックだね(笑)

   俺も見てみたいってちょっと思った ♪ 」

 

 

 「 今度ゆっくり呑みながら

   サッカーの話をしよう😄

   奥さんも紹介してね ♪  」

 

 

うん、また会おう。

 

たくさんの優しさを本当にありがとうでした。

 

 

 『 耳が聞こえなくても

   “ 聞こえる ” ことばであり

   目が見えなくても “ 見える ” ことば

   それが “ 優しさ ” というもの 』

         マーク・トウェイン( 小説家 )

 

f:id:tetsufootball:20190814142055j:image