稽古会。
ずっとお会いしたかったその人は
この言葉の通り、やはり「 柔 」の人でした。
「 教育では、
むやみに厳しさを教えなくてもいい。
楽しさを教えることが大事だ。
楽しさを教えると興味が引き出されてくる。
熱中すると自信もつき、
自然にプライドも育つ。
そのプライドは、
自分自身をより厳しい立場へと追い込んでゆく。
そうして厳しさは
自然に学ばれていくものだ 」
身体の可能性について追及し続けている
武術家の “ 甲野善紀 ” さん。
武術だけではなく
様々なスポーツ関係者や
表現者の人たちからも教えを請われる方。
元野球選手の桑田真澄さんや
サッカー元日本代表監督の岡田監督
役者の片桐はいりさん、などなど。
その甲野さんの稽古会が
様々なイベントを開催している
糸島の「 龍国寺 」というお寺で開催され
念願かなってお会いすることができました。
しかも、個人的な稽古もつけてもらえました。
下の動画は
相手と接触してるときの身体の使い方について
教えてくださっているものです。
正直なところ
言葉で説明することはまだまだできないし
これがスゴイと具体的に言うこともできません。
というか、言葉にしちゃいけないなとも思っていて。
自分の身体は確かに大事な何かを感じ取った。
でも、まだ自分の中にはちっとも落とし込めてない。
それを無理に言葉にしたら
きっととんでもなくチープな表現になるし
自分が思考することもそこで終わっちゃいそうで。
いつか言葉にできる日が来ることを願って。
ただこれだけは確実なのは
ここ1年くらいの自分の問題意識とリンクしたこと。
その問題意識がハッキリと芽生えたのは
今や世界最高峰のボランチとして活躍する
フランス代表 “ カンテ ” の、この映像を見て。
重量という意味でのパワーではなくて
「 身体の可能性を集結させて生まれたパワー 」
それを使ってのボール奪取に可能性を感じたのです。
L'attaquant Allemand pensait avoir le ballon quand soudain... 😉 @nglkante pic.twitter.com/58kdY3q75o
— Equipe de France ⭐⭐ (@equipedefrance) October 18, 2018
甲野先生の言葉をお借りするなら
「 地面を蹴るから、遅くなる。
地面を蹴らなければ、
予測出来ないために、早くなるのだ 」
「 私の武術技法の三原則は、
ひねらない、ためない、うねらない 」
になるのかなぁ。
よし、やってみよう、問いかけよう、考えよう。
稽古会全体を通して感じたのは
甲野先生が上からでもなく、下からでもなく
同じ立ち位置から話しをされているなということ。
だからこちらも、すごく自然体でいられて。
それはきっとご自身が
身体を実際に使って探求することを
やめてないからなんですよね。
「 自分ならではの答え 」と「 自分ならではの疑問 」
その両方がバランスよく同居している感じがしました。
知れば知るほど、気づけば気づくほど
ある答えが出て、で、同じくらいの疑問が湧いてくる。
「 絶えず渇きを感じている人間にとっては
一瞬でも喉を潤す水があると
ものすごく印象深い 」
ということを
甲野先生は言葉にしていましたが
疑問という渇きを
ずっと持っていられる指導者になりたい
本人を目の当たりにして、めっちゃそう思いました。
身体を動かして、自分に質問をして、思考が始まる。
やってみよう、問いかけよう、考えよう。
甲野先生、ありがとうございました!
稽古会の企画をしてくださった松本さんにも
同じくらいの感謝を。ありがとうございました!
風を感じられるのは、頭ではなくて、身体なんだ。
『 顔の表情は嘘をつけても
身体の状態は嘘をつけないのです 』
甲野善紀( 武術家 )