Football × Journey = Pura Vida!

Pura Vida!とは中米コスタリカの挨拶でよく使われる「素晴らしい人生だよ!」の意味。

その芽を。

 

たまに不思議に思うことがあるんです。

 

どうして未だに

サッカーに関わっていられてるんだろうか、と。

 

それは仕事としてという話しではなくて

サッカー自体に飽きることなく

心を預けられているのかという部分で。

 

小学校3年生で

初めてボールを蹴ったときに全身で感じた

「 何なんだ、この面白さ! 」という衝撃。

 

その年齢でそんなものに出逢えること自体

とんでもなく奇跡的なことだと思うのですが

それ以上にアンビリーバボーだったのは

心に芽生えたその芽を摘まないでくれたこと。

 

うちの母 “ トシコ ” が。

 

サッカーに出逢ったのと

同じくらいのタイミングでうちの親は離婚

うちら3兄弟はトシコに引き取られました。

 

それまで社会に出て働いたこともなかったのに

急にフルタイムで働かないといけなくなり

その上、肉食男子3人の子育てもしないといけない。

 

子供の目から見ても毎日が一生懸命でした

精神的な余裕なんかまったくありませんでした。

 

でも、芽を摘まないでいてくれたのです。

 

 

「 もっと頑張らないとダメでしょ 」

 

「 サッカーばっかやってないで勉強しなさい 」

 

「 なんであのとき、こうしなかったの? 」

 

 

そんな風に

ああしなさい、こうしなさいと

言われたことはほとんどなかったと思います。

 

コーチとして他の子供に関わってるだけで

ああだこうだ言いたくなるんだから

自分のとこの子供だったらもっと難しいはず。

 

もしトシコから言われてたら

サッカーそのものではなくて

その言われる状況が嫌になっちゃって

最終的にサッカーを辞めてたかもしれません。

 

デンマークサッカー協会が

コーチの子供たちへの接し方の心得として

こんな10か条を示したことがあります。

 

 

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そう、このほとんどを

トシコはうちらにしてきてくれてたんです。

 

だからきっと

「 サッカーが好きという芽 」を摘まれることなく

結果、ここまで関われているんだよなぁと。

 

今度は自分がサッカーコーチという立場で

それをやっていけるように。繋いでいこう。

 

トシコさんよ、Gracias

 

 

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 最後に

「 ほぼ日 」糸井重里さんのコラムで

グッときたものをご紹介。

 

絶対に忘れないようにしよう。

 

子供のときにしか育めないものがあるんだ。

 

 

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・ふと思い出して手にとった

 『クマのプーさん』から、

 訳者の石井桃子さんの訳文について考え、

 映画『プーと大人になった僕

 を観ることになり、

 さらには『石井桃子のことば』

 という本を読んでいる。

 

 その本の、表紙をめくったところに

 黒いインクで書かれた作者のことばがある。

 

 

  子どもたちよ

  子ども時代を しっかりと

  たのしんでください。

  おとなになってから

  老人になってから

  あなたを支えてくれるのは

  子ども時代の「あなた」です。

            石井桃子

            2001年7月18日   

 

 

 なんでもなくさえ見えるような、

 このことばは、

 ぼくのこころには、ずいぶんとしみた。

 

 おとなになってから、

 子どものころに、

 大切にしていたぬいぐるみも、

 たくさんのおもちゃも、絵本も、歌も、

 なにかの役に立つということは、たぶんない。

 

 少しでも

 なにかの役に立てようとするならば、

 ぬいぐるみを抱いているよりも、

 足し算や引き算、漢字やら

 外国語の勉強をしているほうがいいだろうよ。

 

 でも、ぼくらは、

 わりと自信を持って言えるよね。

 ぬいぐるみで遊んでいる時代に、

 なにか役に立つことばかりを

 やらされた子どもは、

 こころの真ん中にあるはずの、

 なにかが育たない。

 

 そのなにかというのは、そうだな、

 人が生きるのを支えてくれる、

 「人らしさ」みたいなものだよ。

 

 人間にとって、

 どんな能力やら道具やらより大事なのは、

 たぶんその「人らしさ」みたいなもの、だ。 

 

 それがたっぷり詰まってる人には、

 いいことがあるよね。

 

 今日も、

 「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。

 子ども時代のじぶんに、

 ほんとうに助けられていると思う。

 

 

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