静かな一日。
太陽たっぷりな休みの日
午前中にいくつかの用事を済ませ
車で外出することに。
お昼ごはんをどこかで食べよう。
できれば、まだ行ったことのない場所で。
選んだところは
地元食材の直売所の隣りにある古い食堂でした。
「 いらっしゃいませー!! 」
お店に入った瞬間
調理場の奥の方から聞こえてきた生きた言葉。
あんなに感情を込めた
「 いらっしゃいませ 」が言えるんだ。
誰でも知ってる言葉を
誰も聞いたことのない言葉のように
届けられる人って本物だと思う。
味わい深いあら炊きと
プリップリな刺身の定食、美味しかったなぁ。
天気のいい休みの日は
昔からどこか遠くへ行きたくなるのですが
糸島に住むようになってからその気持ちは
ゼロではないけれど、確実に減ってはいて。
海はあるし、山もある
美味しいごはんもあるし、オモシロイお店もある。
そして、人間ってやっぱいいよね
と思わせてくれる人たちだっている。
なんて素晴らしいところに住んでるんだろうか。
結局この日も
思うがままに糸島の半島をドライブして
海の見えるところで本を読み
優しいマスターのいるカフェでブログを書き
最後は、お寺で隔月で開催されている
糸島から出ることなく終わった静かな一日でした。
「 その頃にその小説が書きたくて
僕のからだは
どうしようもなくむずむずしていた。
からだが言葉を求めて
からからに乾いていた。
そこまでからだを “ 持っていく ” ことが
いちばん大事なのだ。
長い小説というのはそれくらい
ぎりぎりに持っていかないと書けない 」
この日読んだ
20年くらい前の “ 村上春樹 ” の旅エッセイは
この日の気分になんだかピッタリ。
よし、明日も子供たちと、ボールと心を追おう。
糸島に住みはじめて、2年が経ちました。
『 生活の中に個人的な
“ 小確幸 ”(小さいけれども、確かな幸福)
を見出すためには、多かれ少なかれ
自己規制みたいなものが必要とされる。
たとえば我慢して激しく運動した後に飲む
きりきりしたビールみたいなもので
“ うーん、そうだ、これだ ”
と一人で目を閉じて
思わずつぶやいてしまうような感興
それがなんといっても
“ 小確幸 ” の醍醐味である 』
村上春樹( 小説家 )