個性とは。
岡山県にある 『 タルマーリー 』 は、
とても、とても、愉快なスタンスのパン屋さん。
・お店は岡山駅から電車で2時間以上かかる山の中に
・週休3日、毎年1か月以上の長期休み
・お店の経営理念は 「 利潤を出さない 」 こと
ここのオーナー “ 渡邉格さん ” の著書、
「 田舎のパン屋が見つけた “ 腐る経済 ” 」
は、今の日本社会の根本に対して
「 ? 」 を持たせてくれる素晴らしい本です。
そのなかに書かれている、
個性的なパン屋さんが思う 「 個性 」 について。
「 必要なものが社会に広く行き届いた時代、
“ 商品 ” を買ってもらうために、
“ 商品 ” の違いを際立たせる
“ 差別化 ” や “ ブランド ” の重要性が
語られることしきりである。 」
「 でも、“ 田舎のパン屋 ” から見ると、
これはなんだか見当違いのような気がしてならない。
“ 差別化 ” しようとしてつくったものに、
大して意味のある違いなんて生まれないと思う。 」
「 “ 個性 ” というのは、
つくろうとしてつくれるものではない。
つくり手が本物を追究する過程で、
もともとの人間性の違いが、
技術や感性の違い、
発想力の違いになってあらわれて、
他とどうしようもなく違う部分が滲み出て、
その必然の結果として生み出されてくるものだ。 」
確かに個性っていうのは、
意識して身にまとう衣服のようなものではなくて、
いつの間にか刻まれている表情のようなものなのかもしれないなぁ。
『 手っ取り早く
何者かになろうとしたってなれっこない。
何かに必死で打ち込み、
何かを極めようと熱中していると、
ひとりひとりがもつ能力や個性が、
“ 内なる力 ” が、
大きく花開くことになるのだ。 』
「 タルマーリー 」 店主 渡邉格