あのときの想いを。
8年前の3月11日
それは都立石神井高校の練習中でした。
波打つグラウンド
しなるように揺れるナイター照明
あちこちから聞こえる悲鳴の声
そんないつもと明らかに違う状況を前にしても
不思議と冷静になれている自分がいました。
でも吉祥寺のアパートに戻って
ネットのニュースで津波の映像を見たことで
そして、その日の夜や翌日以降に
とんでもない数の人が井の頭通りを歩いている光景や
コンビニの棚がスカスカになっていく光景
街からどんどんと灯りが消えていく光景
を目の当たりにして
揺れに揺れていきました、自分自身が。
それから考えていたことは「 遠く 」のことばかり。
3年前に書いた、このブログ記事のような。
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『 遠くを 』 2016年3月12日
車の免許を取ったのは約20年前。
綺麗なお姉さん教官を
期待しながら通ったものの、
練馬区にあるその北豊島園自動車学校は、
そりゃーものの見事に
おじさんオンパレードだったのでした。残念無念。
その おじさん's の中に、
佇まい、仕草、コトバの強さなどに、
やんちゃな雰囲気を漂わすおじさん教官がいました。
やんちゃおじさん教官は、確かこんなことを。
「 いいか、運転をするときは
近くを見てたらダメなんだぞ
怖いかもしれないけど
遠くを見ながらするんだ。 」
「 怖くて近くばかりを見てたら
真っ直ぐ走れない。
逆に、怖くても遠くを見てたら
真っ直ぐ走れる。 」
「 近くを見ていたら遠くは見れない、
でも、遠くが見えていれば
近くは見えるんだ。
だから勇気を出して
遠くを見るんだぞ。いいな? 」
スクールウォーズ的な凄みを感じさせながら、
そんな話をしてくれたのでした。
昨日、3月11日。
5年前のことを思い出してたら、
みんながみんなやれることがあって、
それは、それぞれ違うんだよなと思ってたなと。
で、『 龍馬伝 』でのコトバが頭をよぎりました。
『 世の中を知るいうことは、
みんなと同じような人間に
なることではないぞね、龍馬。
おまんらしい生き方を探しなさい。
それを見つけてこそ、
自分が何を成し遂げるために
生まれてきたかが見つかるがじゃ。 』
5年前、毎日のように自分に投げかけてた
「 オレだからこそ出来ることって何なんだろう? 」
という問い。
それは単純に職業という話しではなくて
仕事もそれ以外も含めた
「 人生すべて 」を使って出来ること。
最近その「 遠く 」を見れてなかったなぁ…
答えは一生わからないかもしれないけど
その問いの投げかけはもっともっとしていこう。
遠くを見ながら運転できるようになると
街の風景や人の表情
いろんなものも見えてくるもんね。
『 君は何者じゃ。
何のためにこの天の下におる。
君がやるべきことは何なんじゃ。
考えるな。己の心を見ろ。
そこにはもう答えがあるはずじゃ。 』
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あの震災から8年が経って
結婚をして、福岡に住み、サッカー指導をしてる。
自分の状況や
やってることが変わっていっても
「 遠く 」だけは見失わないようにしたい。
周りの顔色を窺うことなく
自分の心を素直に表現することが当たり前になって
そんな人でいっぱいになっていったら
日本はとんでもなく愉快な国になると思うんだよなぁ。
だからまずは、今、ここで。
あちこちに花が咲いてきましたね。
『 お前が心楽しいと思った道を歩め。
それがお前にとっていちばん正しい道だから 』
カルロス・カスタネダ( 作家 )