Football × Journey = Pura Vida!

Pura Vida!とは中米コスタリカの挨拶でよく使われる「素晴らしい人生だよ!」の意味。

自由な少年たち。

 

土曜日、日曜日と

小学6年生のフェスティバルで長崎県佐世保へ。

 

両日ともに丸一日試合だったので

車で移動しただけの印象だけですが、

街のつくりや雰囲気に異国情緒が漂っていて

あらためてゆっくり来てみたい場所だなぁと。

 

サッカーを通して

初めての土地に行けるってほんと嬉しいことです。

 

あ、ちゃんぽん食べればよかった・・・

 

フェスティバルは

初日が1分け1敗、2日目が2勝、

最後の順位決定戦では延長戦の末に敗れ、

3位グループの準優勝という

なんともよくわからない結果に(笑)



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個人個人としては、

2日間5試合のどの試合も

全員必ず半分は出るという条件でやるなか、

成長のきっかけと発見がたくさん見つけられた

有意義なフェスティバルとなりました。

 

強度をもったプレーだけでなく、

相手と相手の間で

フリーになれるポジションを探したり、

ボールをもったDFがプレスをかけられても慌てずに

狙われているすぐ近くのMFではなくて

もうひとつ奥でフリーになってる

FWにパスを入れたり、

ボールをもった相手に激しくアプローチしながらも

足を出して奪うタイミングを見極めていたりという

相手を見ながらの駆け引きが入ったプレーが

攻守ともにあらゆるポジションで見られ始めたことは

今の彼らにとって大きな成長の証でした。



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24チームで行われた今回のフェスティバル、その中に

嬉しい気持ちにさせてくれるチームがありました。

 

副審をやっているときに

「 このチームの子供たち、なんか違うな・・・ 」

とふと思い、よくよく見ていたら、

子供たちが恐れることなく、怯えることなく、

本当に伸び伸びとプレーしていたのです。

 

で、なにが理由なのかなと思ってまた考えてると、

ベンチにいる指導者の人がすごく静かだったんです。

誰かがいいプレーをすると褒めるくらいで、

それ以外は静かに見守っている感じの人でした。

 

小さな失敗は当然見えているだろうし、

それに対して言いたくなる気持ちも

あるかもしれないけれども、あえて

「 言わない 」ということを「 選んでいる 」。

 

「 言う 」ことが

子供の成長にとってどれだけマイナスになるかが

きっと想像できているんじゃないかなと。

 

ハーフタイムでも子供たちは

こうした方がいいんじゃないかということを

安心しきった表情で監督とコーチに話していました。



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ハーフタイムが終わり

選手がグランドに入ってきたとき、

そのチームのひとりの選手に

 

 

 「 みんな楽しそうにサッカーやるね 」

 

 

と話してみると嬉しそうな顔をして

 

 

 「 はい!楽しいですね! 」

 

 

こっちも嬉しくなっちゃって、

 

 

 「 すごくいいねー。

   自由にやらせてもらえてる感じなの? 」

 

 

今度はきょとんとした顔になり、

 

 

 「 え、自由ってなんですか? 」

 

 

そこで時間がなくなってしまったので

「 後半も楽しんでね 」とだけ伝えてキックオフ。

 

あの彼はもちろん自由って言葉の意味を

単純に知らなかっただけだとは思いますが、

自由が当たり前すぎる環境だからこそ

その言葉が彼らには存在していなかったのかもな、

なんて妄想まで思わずしてしまいました。

 

で、じつは、

最後の順位決定戦での相手はそのチームでした。

 

雨がかなり降ってきてしまい、

グランドはぐちゃぐちゃ。

 

試合展開的にはほぼ互角に進み、

数少ない決定機も両GKのナイスセーブで決められず、

得点が入らないまま延長戦に突入。

 

延長戦でも同じような展開が続きましたが、

ラスト2分くらいで相手がゴールを奪い、

そのまま逃げ切られ 0対1 で終了しました。

 

やってて思ったのは

「 これは手強いな・・・ 」ということ。

 

「 強いな 」と感じさせるチームはありますが、

「 手強いな 」と感じさせるチームってほんと稀で。

 

一見こっちが全然やれてるように見えるけども、

大事なポイントはことごとく抑えられてる。

 

手強さの正体は「 対応力 」の高さでした。

 

うちが個人の力で局面を打開した後、

あらためてそこを突いて行こうとすると

ひと足先にいいポジションをとられてたり。

 

相手がパスで前進してくるなかで

いいインターセプトから

ボールを奪えてチャンスが作れた後、

あらためて相手のパスの分断を

意気揚々と狙ってると

ドリブルで突破されて前進されたり。

 

うちは前後半で

メンバーはほぼ入れ替わったのですが、

それに対してもすぐに対応してきました。

 

でもそれは指導者に

対応の仕方を教えてもらったわけでは当然なくて

試合をやっているなかで

彼ら自身が自然と導き出した対応なんですよね。

 

その対応力の高さは

決して生まれもった能力なんかではなくて、

「 言われたことをただやる 」という経験ではない

「 自分で感じて、発想して、行動して、考える 」

という経験を日々の練習や試合のなかで

積み重ねてきているからこそ育まれた力。

 

強制力のなかではなくて、

柔らかな空気感のなかだからこそ育まれた力。

 

ゆっくり、ゆっくりと、育まれた力。

 

指導者の人があえて

「 言わない 」ということを「 選んでいる 」

その大きな大きな成果なんだと思います。

 

ほんっとにいいものを見れたーーー

 

育成はそうでなくっちゃ。

 

 

 『 コーチングとは

   答えとなるある方向性を与えるのではなくて

   自分で答えを導き出すための余裕を与えるとか

   本人自身の切り替え力や目線を変えるための

   仕掛けをつくってあげること 』

       平尾誠二ラグビー元日本代表監督 )



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