コスタリカバス劇場。
前回の投稿で、
『 リオデジャネイロに降る雪 』という本の
ブラジルのクリスマス・イブの話しを紹介しましたが、
コスタリカに住んでいたときに
同じようなことがありました。
コスタリカ代表とチリ代表の親善試合を観に行こうと、
首都サンホセからスタジアム周辺に向かうバスに乗りました。
車内は試合を観に行く赤いユニフォームを着た人たちで超満員。
( チリ代表も赤いユニフォームなんですが )
これから始まる試合に向けて、みんなテンション高めです。
この空気が変化したのは、スタジアム周辺に来てから。
試合会場は、
コスタリカの名門「 サプリッサ 」のホームスタジアム。
ここの周辺は民家が多いためただでさえ道幅が狭いのですが、
その上に、試合を観に来た人たちの車が路駐の嵐!
バスが通るのがやっとくらいの道幅に。
スピードはノロノロ。車内は少しずつイライラ。
そして、いよいよ・・・
小さな交差点を曲がろうとすると、
路駐の車が邪魔になって曲がれなく、
車内は一斉にブーイングと罵声の嵐。
バスに乗ってすぐのあのハッピー感はどこへやら。
次第に殺気立ってきて、怖さを感じ始めるほどに。
そんな中でも運転手のおじさんは動揺することなく、
どうにか曲がろうと、切りかえし、切りかえし、切りかえし、
ひたすら細かく切りかえしの繰り返し。
そして、いよいよ・・・
おじさんの努力が実り、ついに、カーブ成功!
すると車内の雰囲気も一変!拍手大喝采!!
で、座席や屋根を叩きバンバンながら、
「 Si se puede!Si se puede! 」
( やればできる! やればできる!)
の大合唱!!
その最高潮な雰囲気のまま、スタジアムに到着。
バスを降りる乗客はみんな、運転手とハイタッチ&ハグ!!
何なんだ、殺気からのこの落差・・・
でもこういう部分って、
ちょっと羨ましかったりもするんですよねーー
『 人を作るのが理性であるなら、
人を導くのは感情である。 』
ジャック・ルソー(哲学者)