Football × Journey = Pura Vida!

Pura Vida!とは中米コスタリカの挨拶でよく使われる「素晴らしい人生だよ!」の意味。

やんちゃ男子の涙。

 

どんな年だったんだろう、2018。

 

4月からは

サッカー指導が生活の中心となって

中学生をメインに幼稚園児や小学生にも関わり

バスの免許をとってはあちこちに遠征して。

そう、夏には東京遠征なんかもしましたね。

 

 

今年ラストの活動で嬉しい光景を目にしました。

 

1泊2日で行った

幼稚園児~小学3年生までの自然体験合宿。


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学年ごとに分かれてやった練習でのこと。

 

自分が担当した3年生の練習は

商品をかけたゲーム形式。

 

 ・ 6人×3チーム、ボールは2つ

 ・ 6つ置いてあるコーンを倒したらゴール

   黄色のマーカーが乗っているコーン4つは1点

   緑色のマーカーが乗っているコーン2つは2点

 ・コーンを倒したら審判までボールを持っていき

  何点ゲットしたかを申告した時点でゴールと認定

 ・倒したコーンは戻さず、ボールは戻す

 ・3点先取したチームが勝ち残り

 ・先に5勝したチームの優勝

 

という設定でやったのですが

すごく極端な展開になり

 

ビブスなしチーム 4勝

ブルービブスチーム 4勝

オレンジビブスチーム 0勝

 

という状況になってしまいました。

 

ビブスなしかブルーが勝ったら優勝

という状況で

ブルービブスvsオレンジビブスの試合に。

 

これでブルーが勝ったら優勝ということで

ビブスなしは当然オレンジビブスを応援。

 

その試合はオレンジが頑張り、見事勝利!

 

と、ここから

オレンジ軍団の怒涛の反撃が始まったのです。

 

次々に相手を倒し続け、まさかの4連勝!

全チームが4勝で並ぶという願ってもない展開に。

 

終戦は、オレンジvsビブスなし。

 

オレンジが勝てば

追い詰められてからの5連勝で大逆転優勝。 

サヨナラ逆転満塁ホームラン並みの奇跡。

 

ビブスなしチームのひとりが

オレンジ軍団のやつに話しかけていました。

 

 「 だん、なんで泣いてると? 」

 

見てみると

ここまでオレンジ軍団を引っ張ってきた

小さなやんちゃ坊主 “ だん ” が

静かに涙を流していました。

 

 「 だって…だって…

   勝ったら優勝できるから… 」

 

キックオフ。

 

先制はビブスなし

黄色マーカーを倒し1点をゲット。

 

焦り始めるオレンジ軍団。

 

しかしここでゴールしたのはオレンジ

しかも緑色マーカーのコーンを倒し2-1と逆転!

 一気に息を吹き返すオレンジ男子たち。

 

ここから試合はさらにヒートアップしていき

がっつりタックルをくらって倒れる選手も続出。

 

緊張感MAXの

この展開を打ち破ったのはビブスなし

なんと2点の緑色を倒したのです。

 

がしかし、がしかし

この同じタイミングで、なんとオレンジも

もうひとつのボールでコーンを倒したのです。

 

勝敗はどちらが速く

審判にボールを渡して申告するかの勝負に。

 

ボールを持って

必死にダッシュをする両チームの選手。

 

他のチームメイトからは

「 行けー!行けー! 」の叫び声。

 

先に審判に申告したのは…

 

 

 

ビブスなしチームの選手でした。

 

 

 

「 やったー!!! 」

と大盛り上がりのビブスなしチーム

座り込んで悔しがるオレンジ軍団

そして “ だん ” は初めて見るほどの大号泣。

 

オレンジチームは結局

この後に行われた

2・3位決定戦にも敗れ最下位に。

みんな放心状態で遠くを見つめていました。

 

商品を渡す表彰式。

 

MVPには文句なく

最下位チームの “  だん ” を選びました。

 

 

 「 だんは

   誰よりも勝ちたい気持ちをもって

   声を出してみんなを引っ張って

   めちゃくちゃ戦ってたよね 」

 

 

 「 でもそれだけじゃなくてさ

   緑色マーカーの2点コーンのところに

   声をかけて味方を動かしてたんだ。

   どうしたら勝てるかをすごく考えていて

   それをちゃんと仲間にも伝えていた。

   負けまくった後にそれができる選手は

   本当に強いサッカー選手なんだ。

   だから、だんをMVPに選んだんだよ 」

 

 

ヴィッセル神戸 」監督の

ファン・マヌエル・リージョが

日本サッカーについてこんな話をしていました。

 

 

「 選手自らが考えて、決定を下さないといけない。
  試合中、ベンチの顔色を伺うような選手は
  高いレベルではプレーできないだろう 」

 

 

「 “ しょうがない ”
  という日本語には考えさせられた。
  それはあきらめるという知性なのかもしれない。
  フットボールよりも重要なことはある。
  健康や家族はそうだろう。
  ただ、プレーしている間の
  “ しょうがない ” はあり得ない。
  失点して “ しょうがない ” は
  あってはならないんだよ。
  次の日、切り替えるというのはわかるが…… 」

 

 

 

 

糸島で指導者を再開してから

ここをどうにかしていきたいと思ってたので

2018年の最後に見ることのできた

“ だん ” の奮闘は本当に嬉しい出来事でした。


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みなさん、今年もお世話になりました

来年もよろしくお願いします、Pura Vida!!

 

 

 『 限界があるのはわかっている。

   そんなこと問題ではない。

   限界がくるまでどれだけ

   完全燃焼できるかが重要なんだ 』

     オリバー・カーン( 元ドイツ代表 )

 

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