チームメイトからの声。
U-12の試合会場に向かう途中
公園内にある野球場の横を通ると
小学高学年の子たちが試合をしていました。
何アウトかはわかりませんでしたが
ランナーは二塁という状況。
ピッチャーの子は
明らかに迷いのある表情を浮かべていました。
初球、ボール。
チームメイトから声がかかります。
「 力ぬいていこうー 」
二球目、またもやボール。
「 力ぬいていこうー 」
「 力ぬいていこうー 」
三球目、ファール。
「 力ぬいていこうー 」
「 力ぬいていこうー 」
「 力ぬいていこうー 」
四球目、ライト前ヒット。
うなだれるピッチャーの子。
チームメイトから声がかかります。
「 力ぬいていこうー 」
残念ながらその声がかかるたびに
可愛そうなくらい力が入っていっていました。
こういうことってサッカーの現場でもよくあります。
ミスで自信をなくしかけてる選手に
「 自信もっていけ! 」
とか、相手のプレッシャーが速くて
慌ててしまってる選手に対して
「 落ち着け―! 」
で、負のスパイラルに突入していくと。
そうした方がいいと思うことを
「 直接的 」な言い方で言えば言うほど
逆効果になっちゃうことって多いですよね。
もちろんその方がいいときもあるけど
「 間接的 」な言い方を選んだ方が
結果、伝わることって多々あるなって思います。
ドリブル突破に失敗して
自信をなくしかけてる選手に
「 めっちゃいいチャレンジやん! 」
とか、パスミスをして慌ててしまってる選手に
「 オッケー、どんどんパス出していけ! 」
とか。といっても自分も思わず
反射的に直接的なこと言っちゃってるんですが…
もし自分が
あの少年野球チームの監督やチームメイトだったら
あのピッチャーの子に対してどんな声をかけるだろう。
「 笑っていこうー 」
とか、逆に、
「 ありったけの力で投げちゃおうぜ! 」
とかかな。
どんな間接的な言い方がいいのかは
その選手がもつ特徴や置かれている状況によって
あとは、その選手との関係性によっても
変わってくるだろうから
手に入れたいものはやっぱ「 想像力 」なんだよなぁ。
うん、想像は、観察から。
「 もし本当に何も言うことがないなら
たくさん吠えることは無駄だよ 」
『 スヌーピー 』より