たまらない悔しさ。
ああ、ついに読み終わっちゃった・・・
『 グアルディオラ総論 』
( マルティ・ペラルナウ、ソルメディア )
2か月ほど前から
かなり順調に読んでいたのですが、
あまりにオモシロイがために
読み終わりたくなくなり、
ラスト50ページくらいになって
とんでもない失速劇を見せたのでした。
( オモシロイ本ではいつもこうなる・・・ )
で、これ、ほんとーに素晴らしい本です!!!
“ ペップ・グアルディオラ ” が、
「 バイエルン・ミュンヘン 」で監督を務めた3年間、
そこでの挑戦をテーマ別にまとめたものなのですが、
サッカー指導者としての学びだけでなく、
ひとりの仕事人として、ひとりの人間としても、
ワクワク自問自答のできるクリエイティブな本でした。
例えば、目次はこんな。
・ 練習へのフォーカスの仕方
・ 革新的な姿勢
・ コピーを困難にする障害
・ 適応と学びのプロセス
・ 教義よ、さようなら
・ 補完し合う選手
・ おびき寄せることと開くこと
・ タレントは習慣によって育つ
・ 言葉とは混乱を招く武器である
・ 言語としてのサッカー。言語を越えて
・ 本能的なプレー
・ 負けざるを得ないから負け方を選ぶ
・ ロマンティックな結果主義者
・ エベレストの後には何がある?
・ 波長の合う者が並べられているか?
・ 理解したいと思う者は理解するだろう
・ サッカーは常時変化する
・ 時は飛ぶ
そして読み終わったら、
こんなにも気になるページを折ってました・・・
個人的には「 答え 」を提示してくれる本より
「 疑問 」を湧き立たせてくれる本の方が好きでして、
このグアルディオラ総論は、まさにそんな本でした。
うん、サッカー指導の現場でも
答えを提示するのではなく、
疑問を湧き立たせられる指導ができるようになりたい、
そしたら子供たちは
どこまでも突っ走っていくだろうから。
それにしても、やっぱり、グアルディオラは最高!
現役時代の彼のプレースタイルが大好きで、
美しい軌道のサイドチェンジや、
そう見せかけておいての鋭い縦パスの映像は
何回も何回も見直しては真似していました。
監督になっても唯一無二な存在で、
ペップファンとしては嬉しい気持ちでいっぱいです。
けど、この本を読んで正直、悔しくもあったのです。
彼が志向して、思考して、試行していること、
それが心の底から「 すげえ 」と思ってしまったから。
彼とは
とんでもなく違うレベル×100,000にいることや、
とんでもなく違うステージ×100,000でやっていること
それはもう百も承知ですが、でもやっぱり、
同じ「 サッカー指導者 」として
めちゃくちゃに悔しい。
もしグアルディオラと会う
ということになったとき、
果たして自分は彼に対して
何らかのインスピレーションを
与えることができるのだろうか。
今は絶対に無理、と思ってるところがまた悔しい。
そして、もうひとつの想像。
もしも、グアルディオラが、
いま僕が教えてるチームのコーチになりたいとなって、
子供たちに投票か何らかの方法で
僕かグアルディオラを選んでもらおうとなったとき、
果たして子供たちは自分を選んでくれるのだろうか。
もちろんお情けなしに、
純粋にどちらに教えてほしいかで。
これを想像することはちょっと怖いけど、
自分的には避けてはいけないと思ってる想像で。
実績だって、名声だって、何もかも違いすぎるから、
僕に1票も入らない可能性はほぼ100%だと思います。
でも同じサッカー指導者という土俵に立ってる以上、
それを理由にギブアップなんかしたくない。
子供たちが僕と関わることで、
表面的な楽しさではなくて、
心の奥底から湧き上がってくる深い喜びや
キラキラした未来の自分を感じることができていたら、
もしかしたら、もしかしたら、
1票は入るかもしれない。
そんな子供がチームにどんどん出てきて、
チーム全体にあたたかい家族のような
かけがえのない雰囲気が生まれていったら、
もしかしたら、もしかしたら、もしかしたら・・・
もっともっともっともっと成長していきたいです、
指導者としても、人間としても。
そう思わせてくれる人がいるって本当に幸せなことだー
『 監督の喜びは産業人のそれではなく、
職人のそれでなくてはならない。
我々はスポーツマンの育成と教育の職人である。
監督は目標を成し遂げたかどうかではなく、
選手の成長に喜びを見出すべきだ。
幸せは勝利ではなくプロセスにある。
それこそ我々を満足させる。
選手の成長が最初の喜びであり、
2番目の喜びが彼らによる勝利である 』